昔、タイに4年ほど住んでいました。
一番の目的は、股関節手術後のリハビリ。
滞在中は、いろんな体験をしましたが、
楽しみは、現地の雑貨を買い付けて、
日本でレストランを経営している妹の店に
送ること。
いわゆるバイヤーをしていたわけです。
お陰で、チェンマイのあらゆるジャンルの問屋や
メーカーを回ることができました。
大口の買い注文を出すと、メーカーが梱包までしてくれる
のですが、小口だと自分でしなければなりません。
ある時、UPSで発送することに決め、梱包をして日本に
送ることにしました。
ですが、当時の私は梱包のノウハウを知らなかったのと、
梱包を現地の方を信頼して任せてしまったため、
送った荷物が日本に届いたころにはすべて割れていたことが
ありました。
もちろん、箱には「割れ物注意」って書きましたが、
さすが海外。「割れないように梱包しないのが悪い」
こうなんです。
あれから、もう12年は経っていますから今はどうか知りませんが…
いかに日本の運送業界が細心の心遣いをしてくださっているかが
わかった出来事でした。
送ったものが割れたのは「割れ物を送っても壊れない」という
日本の常識、私の思い込みからでした。
保険をかけていたので、物品の購入金額は帰ってきましたが、
購入した手間暇と現物は帰ってきません。
ショックと、人任せではダメな事もあるという思いから
身につけたのが、「梱包技術」
昨年、オーストラリアからの帰り、成田空港から家に荷物を
送ろうと宅配便のカウンターでダンボールを買い、せっせと荷物を詰めていたのを近くで見ていた運送業者の受付のおじさんと、同じく荷物を送ろうとしていた旅行者のおじさんが口をそろえて、私に向かってこう言うのです。「あなたは、このカウンターの隣に、梱包の店を構えなさい。きっとお客様に喜ばれますよ」
ショックは、時に人を強くします。
そして、新たなノウハウを構築します。
これから私が関わっていく事に…
再構築がもたらされたらいいな。
そう思う夏の夜です。
7月 14 2011